19日(金)に保小中合同引渡訓練を行いました。今回は「大雨が降り続いた後の地震により、土砂災害警戒レベル3が発令された。それに伴い、園児及び児童生徒は中央公民館へ避難し、引き渡しを行うこととなった」という場面設定で訓練を行いました。今日はその様子を「今回見えてきた課題」も交えながら紹介します。
15時15分。Jアラートの放送を校舎内に流し、一次避難。その後、村の防災無線で「保育所・小菅小・小菅中の保護者は中央公民館へ子どもの迎えをお願いします」と流していただきました。どうやら「“すぐに”お迎えに行ってください」とアナウンスがあったため、「15時45分からではないの?」と戸惑った方もいたようですね。実際の場面ではどのような内容のアナウンスをしてもらうのか、村と今一度確認しておく必要がありますね。(実際には時間指定はできないのでは?「土砂災害警戒レベル3が発令されたため公民館へ避難します。お迎えをお願いします」といった内容になるかと思います。それでもやはり「○○時○○分~」とした方がいいですかね?今後検討が必要です。場合によっては「道路が塞がっているため、このまま公民館で避難生活を送ります」といったことだって考えておかなければならないのではないでしょうか。)
防災無線を聞き、子どもたちはヘルメットをかぶって、帰りの支度を持って中央公民館へ移動。静かに速やかに避難行動を取っていました。

ところが…中央公民館の鍵がかかっていて開きません。たまたまつくる座の方がいたので開けていただきましたが…実際の場面でこれでは困ります。中学校に予備の鍵を置いておくのか…それよりも避難所開設ということで村の担当の方にすぐに開けてもらうようにするのか…「これでは困る!確認が必要!」ということが分かったという点で大切な訓練となりました。外履きを持って4階へ。玄関が靴でごった返すのを避けるためでしたが、実際もそうなりますかね?実際は今回のように園児、児童生徒だけでなく地域の方も避難してくるはず。そうなった場合、みんな靴を持ち上がるのか…ここも検討が必要ですね。

4階に上がってから人員確認→担任から引渡カードを生徒に渡し、地区ごとへ移動。小学生と保育園児が来るまで待ちます。小学生の公民館への避難完了が15時30分頃。防災無線から13分後。保育園児の避難完了が15時38分。防災無線から21分後。保育園児の避難に関しては、課題がたくさん見つかりました。保育園の先生に話を聞くと「荷物の支度に時間がかかる」「必要最低限の荷物は何か考え直さなければならない」「実際の場面では雨の中、道路が荒れている中、園児を連れて、荷物を持って避難するのは大変」「村からの応援も頼みたいけど、きっとそのような事態では村職員も応援に行くのは難しいのでは?」「“共助”の考えで、中学生が保育園児の避難を手伝うということも考えなければならないかな」いろいろなことに気付きました。


保育園も揃ったところで(私からお話をさせてもらった後に)引き渡し開始。小中の引き渡しは地区ごと。保育園は別としました。保護者が子どもの所に行って引き渡しカードに「引き取り者」「時刻」をチェックし、地区担当の先生に確認してもらいます。いつも顔を合わせている先生ではなかった場合には引き取り者を確認するのに少し手間取ったところがあったようですね。クラスごとにまとまって整列しておいた方がよいのか、地区ごとに兄弟まとめておいた方がよいのか検討が必要ですね。ただ実際に引き渡す場面では「いつ」「誰に」引き渡したかを確実に把握しておくことは、その後問い合わせがあった時のためにも必要です。それから引き渡しカードには「引き取り者」として3人の枠しかありませんでしたが、そこに記載されていない人が引き取りに来たという話もありました。今回の訓練を通して、引き取り者の追加がある場合はプラスで追加してもらう必要もあるでしょう。近隣の家庭同士で引き取りをお願いするような場合に備えて、話をしておくのもいいかもしれませんね。

全ての引き渡しが完了したのは16時。実際には引き渡し後に「家庭への安否確認」「学校施設および周辺の安全確認」「学校再開の判断」「保護者への連絡」といったことを考える必要が出てきます。今回の訓練では「あぁこういうことも考えなければならないのか」といったことを実感した職員や保護者も多くいたと思います。そしてやはり村・小中学校・保育所で打合せをする機会は必要でしょうね。保護者からいただいたご意見の中には「小中の間の道は土砂で塞がっている想定の訓練なのにその道を通っていては訓練の意味がない」「実際の災害の場合には車移動は難しいので、徒歩・自転車・バイク等で来てもらうのが本来の訓練では?」「土砂崩れ・増水した場合車を置く場所が川沿いなのは疑問」「安否確認連絡フォームは紙ではなくマチコミメールの方がよい」といった声もあげられました。なるほどその通りですね。今回の訓練で見えてきた課題を次に生かしていきたいと思います。ご意見ありがとうございました。

直近では令和元年10月12日(土)の台風19号により国道139号線が土砂崩落で通行止め。中学校~田元の間も土砂崩落で通行止め。13日(日)に139号線の通行止めは解除されたものの、翌日14日(月)には台風20号。といった記録が残されています。小菅村という地域でまず考えておかなければならないのは「土砂災害」です。道路が寸断されてしまえば、何日も避難所で生活することも考えなければなりません。その時の飲み物は?食料は?いざという時のために、考えておかなければならないことは山ほどありそうです。日頃から防災意識を高め、家庭でも話題にしていただきたいと思います。今日はご協力いただきありがとうございました。
